じゃがいもの正しい保存方法と調理の工夫

じゃがいも

常温・冷蔵・冷凍、それぞれの保存環境のコツ

じゃがいもは、冷暗所での常温保存が基本です。理想の温度は10〜15℃ほど。直射日光を避け、風通しのいい場所に置けば、1ヶ月程度は鮮度を保てます。紙袋やかごに入れて新聞紙で包んでおくと、湿気や光を防げて劣化しにくくなりますよ。段ボールに入れる場合も、側面を少し開けて通気性を確保しましょう。

ただし、気温が高くなる夏場は冷蔵保存のほうが適しています。野菜室に入れ、新聞紙で包んでから保存袋に入れると、乾燥を防げます。低温で保存するとじゃがいもの糖分が増えるので調理法にはちょっと工夫が必要かもしれません。

また、冷凍保存をするなら、生のままではなく、一度加熱しておくのが基本です。蒸してマッシュ状にしておけば、解凍後も食感が損なわれにくく、コロッケやポタージュに活用できます。保存期間は1ヶ月ほど。冷凍焼けを防ぐため、保存袋の空気はできるだけ抜いておくとよいです。

調理への影響と使い分けのコツ

保存方法によって、じゃがいもに向いている調理法も変わってきます。たとえば冷蔵保存されたじゃがいもは、糖度が上がっていることがあります。そのまま揚げると化学物質であるアクリルアミドが発生しやすいため、煮物や蒸し料理のほうがおすすめです。

一方、冷凍保存したマッシュポテトは、コロッケやグラタンの具材に使いやすく、手間も省けます。下味をつけてから冷凍しておくと、解凍してすぐに使えるのも便利な点。小分けにしておけば、必要な分だけ取り出して使えるので、時短にもつながります。ただし、糖度が高くなっている場合は揚げ調理によってアクリルアミドが発生しやすくなるため、気になる方は、蒸したり焼いたりするなど、別の使い方も検討してみましょう。

カット済みのじゃがいもは水にさらして冷蔵保存し、1〜2日以内に使い切るのが基本です。時間が経つと黒ずんだり、風味が落ちたりすることがあるため、早めに使いきりましょう。皮をむいた状態での冷凍保存は不向きですが、蒸して潰せば保存もしやすくなります。

芽や緑色の部分は必ず取り除こう

じゃがいもに芽が出ていたり、皮が緑色になっていたりする場合には注意が必要です。こうした部分には、ソラニンやチャコニンという天然の毒素が含まれていることがあり、摂取量によっては吐き気や腹痛などを引き起こすこともあります。特に子どもや高齢の方がいる家庭では、細かくチェックしてから使うようにしましょう。

芽は、根元から深くくり抜くように取り除きます。緑がかった皮の部分も、5mm以上の厚さでむくと安心です。少しでも気になる部分は、ためらわずに捨ててしまいましょう。

発芽を抑える方法として、りんごと一緒に保存する工夫があります。りんごが出すエチレンガスが、じゃがいもの芽の成長を抑える働きをするためです。
この場合は、じゃがいもとりんごを同じ袋に入れて構いません。ただし、キャベツやレタスなど他の野菜はエチレンの影響で劣化が早まることがあるため、りんごと一緒に保存するのはじゃがいもだけにとどめ、他の野菜とは分けて保管しましょう。